何故糖新生が起こるのか

目次
  1. 糖新生とは
  2. 何故糖新生が起こるのか
    1. ブドウ糖は必要不可欠なエネルギー源
    2. 最初に肝臓のグリコーゲンを消費
    3. 血糖が不足すると糖新生が起こる
 

糖新生とは

糖新生(とうしんせい、gluconeogenesis)とは、飢餓状態に陥った動物が、グルカゴンの分泌をシグナルとして、ピルビン酸、乳酸、糖原性アミノ酸、プロピオン酸、グリセロール(脂質)などの糖質以外の物質から、グルコースを生産する手段・経路である。
糖新生(とうしんせい)とは、血中のブドウ糖量が低下したときに、肝臓や腎臓(微量)でブドウ糖を作り出す仕組みの事です。 中性脂肪など体脂肪が糖新生の原料として、またエネルギー源として消費されます。 炭水化物抜きダイエットを実践すると痩せるのは、この体脂肪が使われて脂肪が減っていく『糖新生』の仕組みを利用しているからですね。  

何故糖新生が起こるのか

ブドウ糖は必要不可欠なエネルギー源

血糖は、脳や赤血球や網膜などが必要とするとても大切なエネルギー源です。 脳は、ブドウ糖以外にケトン体をエネルギー源とすることができるので絶対に必要とは言えないかも知れません。 ケトン体の利用は、長い生物の進化の中で、ブドウ糖不足を補う術として後になって獲得したものだと思われます。   我々の母体である核DNAは、元々、ブドウ糖をエネルギー源として生きていました。 赤血球などの細胞には、ミトコンドリアがなく、核DNAだけなのでどうしてもブドウ糖を必要とします。   血糖値を上げるホルモンが、5つ(グルカゴン、コルチゾール、アドレナリン、甲状腺ホルモン、成長ホルモン)もあるのも、ブドウ糖が人間にとって必要不可欠なものであることを物語っていると思います。   我々の母体である細胞は、元来、ブドウ糖をエネルギー源として生きてきたので、はやりのダイエット法のスーパー糖質制限をずっと続けるのは人間にとってとても危険だと思います。   この点については、私の尊敬する夏木睦さんとは意見が異なりますね。 先生の著書「炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】」の豊富な知識と鋭い洞察力には、とても感心します。 お勧めの本です。 炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】~植物vs.ヒトの全人類史~ (光文社新書)

最初に肝臓のグリコーゲンを消費

血糖が不足してくると、いったん溜め込んだ肝臓からグリコーゲン (ブドウ糖)を徐々に放出して、ブドウ糖の量が不足しないように維持する 働きがあります。 ところが、肝臓に貯める事が出来るグリコーゲン量はあまり多くありません。 成人男性で100g前後といわれています。   無くなってしまったらどうするのでしょう?

そこで起きるのが糖新生です。

糖新生は、血糖値(=ブドウ糖の量)を維持するために肝臓でブドウ糖を作り出すシステムです。 人間にとって、ブドウ糖が必要不可欠なので糖新生のようなブドウ糖を生成するシステムがあるのです。    

血糖が不足すると糖新生が起こる

糖新生のために、ストックされているエネルギー源が体脂肪です。 人間は、絶食しても水だけあれば一ヶ月は生き延びられるといわれているのは、体に蓄積されている体脂肪を使って、ブドウ糖などのエネルギー源を作り出す、この糖新生のシステムがあるからです。
  1. 肝臓のグリコーゲン(=ブドウ糖)の在庫が切れる
  2. 肝臓は遊離脂肪酸を分解して、ブドウ糖を作り始める
  3. 作り出す作業のエネルギー源として、脂肪などを消費
  4. 結果、蓄えてられていた中性脂肪などが、どんどん減る
  5. 痩せる!

糖質(炭水化物)を摂りすぎなければ誰でも糖新生が起きます。

糖質をたくさん摂取すると、血中のブドウ糖が増えて、インスリンが大量分泌されます。 インスリンには、糖新生のシステムをストップさせる働きがあります。   糖新生のシステムを発生させるには、一日に摂取する糖質量はどのくらいが適切なのでしょうか? 現状では、明確なガイドラインはありませんが、およそ、130g/日以下に制限すれば、効果があるとされています。   ダイエットには、夕食の糖質制限がとても良い効果を発揮します。   糖新生は糖質制限時だけでなく、正常な状態でも激しい運動などで嫌気的な解糖系により生じた乳酸をグルコースに再生するためにも使用されています。   糖新生は、人間が生きるうえで必要不可欠の糖を補うためにあるのです。 ダイエット後は、適量な糖を摂取するよう心がけましょう。

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