加圧トレーニングの歴史
日本で生まれの加圧トレーニングが、現在アメリカのNASAの宇宙飛行士の訓練にも採用されており、 宇宙の無重力空間での訓練への活用計画も進行しています。 加圧トレーニングは現在、凄いブームとなっていますが、実は昭和41年(1966年)に佐藤義昭氏に よって考案された歴史あるトレーニング方法です。 それから51年の歳月を費やし、現在ブームになっている加圧トレーニングが 完成したという訳です。 最初にボディービルダーの佐藤義昭氏が加圧トレーニングを思いついたのは、 お寺での座禅中に血流の減少によって足がしびれた事だと言われています。 意図的に血流の制限を行い運動すれば、効率的に筋肉が増加していくのでは ないかと考えたのです。 1993年に取得した加圧トレーニングの特許は、2013年に終了しました。 その結果、今では、加圧トレーニングのジムが乱立し、加圧ベルト、加圧シャツ、加圧下着などが販売され人気となっています。 特許が終了して、世の中に加圧トレーニングが広まったことを、私はとても歓迎しています。 特許は人類の進歩を遅らせる。 特許制度などなくなってしまえばいいのに。加圧トレーニングの原理
加圧トレーニングの原理は、血流を抑えて、酸素や栄養素の供給を抑えることです。 それによって、ミトコンドリア系のエネルギー生成がが抑えられ、解糖系のエネルギー生成が活発になります。 このことが、とても重要なポイントです。 私達の体は、2つのエネルギー生成系を持っています。 一つは、解糖系エネルギーで酸素を必要としません。 もう一つは、ミトコンドリア系エネルギーで酸素を必要とします。 老人は、若者よりミトコンドリア系エネルギーの割合を多く使っています。 酸素を遮断することにより、解糖系を優先的に働かせることが出来ます。 そして、解糖系を優先的に働かせることにより、体に様々な変化をもたらすことが出来ます。 そのひとつが、成長ホルモンの顕著な分泌促進です。 これによって、多くの良い結果を体にもたらすことができるのです。 乳酸が成長ホルモンを促進すると言う間違った情報がネットに氾濫していますが、 困ったものです。 果糖を摂取して、血中の乳酸濃度を増加させても、全くと言って良いほど、成長ホルモンは増えません。 このことから、乳酸の増加によって成長ホルモンの分泌が促されているのではないことは明らかです。 本当に、ネット上は間違った情報で溢れています。 その人がどれだけ正しく取捨選択ができるかは、その人がどれだけ知識と経験が豊かであるかが重要で、それが間違った選択を減らしてくれます。老人リハビリ加圧トレーニングの良い点
加圧トレーニングについての説明サイトは沢山あります。 ここでは、老人リハビリ加圧トレーニングのやり方に限って、説明します。 私は、加圧トレーニングは筋力の衰えて老人にうってつけのトレーニングだと思っています。 老人は、俊敏な動きができません。 そして、高負荷トレーニングをすることもできません。 このような老人でも、スローな低負荷なトレーニングで十分の効果を発揮してくれる 加圧トレーニングは最適です。 とても良くマッチングしているのです。 解糖系とミトコンドリア系の話をしましたが、老人になるとミトコンドリアが多くなり、 若いときよりも、ミトコンドリアでエネルギーを生成して生きています。 そのため、解糖系を使うことが、若者より難しくなっています。 俊敏な高負荷トレーニングができないことに輪をかけて、とても筋トレが難しい状況に老人は居るのです。 解糖系はグルコースを使ってアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれるエネルギーを作り出します。 グルコース1分子から解糖系で生み出されるATPは2分子です。 一方、ミトコンドリアは解糖系で代謝されたグルコースを使って、ピルビン酸、アセチルCoAを経てクエン酸回路に入って2分子のATPを生み出します。 そして、更に電子伝達系で36分子のATPを生み出します。 ミトコンドリア系は、1分子のグルコースから、何と解糖系の19倍もの効率でエネルギーを生成できるのです。 ミトコンドリアが多くなった老人は、エネルギー生成効率が高く、若い人に比べて少ない栄養で十分なのです。 筋肉には、大きく分けて白筋と赤筋に分けられます。 筋肉は、増殖しないと昔言われていました。 ほとんど増殖しないのは、赤筋です。 白筋は、増殖します。 赤筋は、ミトコンドリアが沢山あるために細胞増殖を抑制されているのです。 酸素を遮断することにより、優先的に白筋を鍛えることが出来ます。 その結果、白筋が強化され筋力が容易に付きます。 これが、加圧トレーニングの素晴らしい点です。老人リハビリ加圧トレーニングの方法
老人リハビ加圧トレーニング方法には、一般の加圧トレーニング方法と大きな違いはありません。 違いは、時間は短く、低負荷で行う。 これだけです。 時間は、上下肢5分以内。 1日2回まで。 負荷は、掛けようにも掛けたら運動できませんから、 必然的に軽い負荷となります。 これは、個人個人で違うので、その人に合わせて行うのが良いでしょう。 筋力に応じて、無負荷のような状態から、適度な負荷まで人それぞれでしょう。 足の付け根をゴム製の止血帯で縛った状態で、足の曲げ伸ばしなどの軽い運動を繰り返します。 立つことの出来ない人は、それを曲げる側、伸ばす側でしっかり実施します。 横の動きもできる人は、実施します。 立つことが出来る人は、立ったり座ったりを繰り返します。 横に足を上げる動作もできれば加えてください。 歩行が出来る人は、歩行してください。 手すりに掴まった状態で出来る人、掴まらなくても歩ける人、それぞれの能力に従って、 運動をしてください。 次に二の腕に止血帯を巻いて、トレーニングをします。 このトレーニングも個人の状況に応じて、個別の内容で実施してください。
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