胎盤のこと
プラセンタ(Placenta)とは、日本語で「胎盤」を意味します。
プラセンタは、小さな一個の受精卵を、わずか10ヶ月の間に一人の人間に育て上げる驚異的な働きを持っています。
プラセンタは酸素や栄養分を胎児に与えるだけではありません。
器官の働きが確立していない胎児に代わって、肝臓の役目、腎臓の役目、肺の役目など、数多くの働きをします。
つまり、胎児の発育のために必要な呼吸やタンパク質合成、有害物の解毒、ホルモンの分泌、排泄など、重要な働きをすべてプラセンタが行うのです。
この「パーフェクト臓器」であるプラセンタには、人間に必要なタンパク質、脂質、糖質の3大栄養素をはじめ、ミネラル、ビタミン、酵素、核酸など多彩な栄養素が含まれています。
栄養価は、抜群ですね。
但し、プラセンタを経口から摂る場合は、当然、栄養価だけの補給となり、タンパク質の合成、有害物の解毒、ホルモンの分泌、排泄などの働きはありません。
プラセンタの効果は体内に原液を直接注入する注射での摂取が一番高いとされており、経口摂取時の効果は科学的な根拠が少ないとされています。
分解されてから、身体には吸収されるのであたり前ですね。
注射の効果については、以下のような報告があります。
プラセンタ注射はサプリメントとは違い、医薬品ですので病院でのみ注射を受けることができます。プラセンタ注射の効果は更年期障害、乳汁分泌不全の緩和、肝機能の回復です。
もともとこの目的でのみ使用されていましたが、患者さんの免疫力が向上したり美肌になったり、アトピーが改善されたりとさまざまな本来の目的以外の良い結果が現れて、現在ではアンチエイジング目的でも処方されるようになりました。
プラセンタ注射の効果は60~70%の人が感じ、残りの30~40%の人は感じません。
漢方の世界においては、プラセンタは「紫河車」として扱われています。
その昔、唐の時代に編纂されたとされる医学書『本草拾遺』の中で、プラセンタは「人胞」「胞衣」と呼ばれており、薬として認識されています。
プラセンタブームに注意
植物性プラセンタ、海洋プラセンタという言葉です。植物には胎盤もありませんし、海のプラセンタとか、もはや意味不明です。
植物性プラセンタは米ぬかの抽出液で、海洋プラセンタはサケやマスなどの卵を包む膜の成分だそうです。要するに精米時やイクラの製造過程で出る不要物です。
どうせ海洋性プラセンタとして入れるなら、魚類の精巣(しらこ)から抽出され食品添加物にも認可されているプロタミンという成分のほうがマシなのではないかと思います。プロタミンは抗菌作用が強く、また抗肥満作用もあるといわれている成分です。
プラセンタの成分
プラセンタ原液に含まれる成分とお肌に期待できる効果を一覧にしてまとめました。
- アミノ酸
細胞を作る栄養素です。
私たちは食品から得られるタンパク質を分解してアミノ酸を補っています。
プラセンタに含まれるアミノ酸は単体なので、よく吸収・利用されるのが特徴です。
お肌に働きかけるアミノ酸、ヒドロキシプロリン、アルブミンなどがたっぷりと含まれています。
EGF(ヒトオリゴペプチド-1)、AGF(ヒトオリゴペプチド-13)など、今もっとも注目されているアンチエイジング成分のひとつです。プラセンタの魅力は、この成長因子にあると言っても過言ではありません!
それぞれお肌の表皮と真皮の細胞レベルに働きかけ、弾力、バリア、美しさをもたらしてくれます。
数十種類のアミノ酸が合成されたものがタンパク質で、人の体を作る重要な栄養素です。
脂は体にとって、とても大切な要素です。細胞膜を作り、お肌にハリを与えるビタミンAやカルシウムの形成に役立つビタミンDの吸収を助けます。
ビタミンB1、B2、B6、B12、C、D、E、ナイアシンなどが含まれます。特に肌の再生に欠かせないB2、タンパク質(アミノ酸)の合成を促し、粘膜を保護します。新陳代謝にも大きく関わるビタミンB6は、お肌にとってとても大切です。
また、ビタミンCは肌の線維芽細胞が活発に働く手助けをします。線維芽細胞は、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを生成する縁の下の力持ちです。
ビタミンB12は年齢と共に減少し、男性よりも女性の方が低くなる傾向にあります。お肌に対して、優れた再生効果を発揮すると言われています。
電子を持つミネラルが体内に入ると、細胞膜を通過して細胞にミネラルイオンが出入りをします。この細胞内外の電位差が、細胞の活性、肌サイクル(ターンオーバー)を促していきます。
ムコ多糖類に代表されるように、粘り気のある物質です。美容成分としてはヒアルロン酸などが有名ですね。
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