中国の研究所の発表
「中国の研究チームが3月6日、新型コロナウイルスにS型とL型の2タイプがあることが分かったと発表。
S型は全体の30%を、それが変異したL型が全体の約70%を占めるといい、後者は武漢での流行期に多く確認された。
いずれにしろ人間に免疫を作らせる力は弱く、麻疹のように一度かかったら一生かからないという病気ではない。」
この情報には幾つかの大変重要な内容が含まれている。
1、新型コロナウイルスには、L型、S型の2タイプがある。
2、L型よりもS型の方が長期的に流行する。
3、抗体は作られにくく、何度もかかるから、ワクチンは基本的に効かない。
L型とS型の違いは何か
新型コロナウィルスのゲノムRNAは、約3万塩基ある
普通のコロナウイルスは、約1万5千塩基だから、もうコロナが基盤とも言えない大きさで、違うもの。
で、そのRNA塩基の8782番目、28144番目に重要な違いがある。
8782番目近辺の違い
S型はセリン、L型はロイシン
28144番目の塩基の違い
S型はC(シトシン)、L型はT(チミン)
この見た目僅かな違いが、大変な違いをもたさす。
L型の方が重症化し易い。
幸か不幸か、中国を除くアジアの諸国は、S型が流行ったようだ。
そのため、死者は幸い少なくて済んだ。
欧米や中南米では、不幸にしてL型の亜種が流行った。
これは、後述することから考えると、ちょっと不思議ですね。
勿論、中国以外のアジアで主にS型が流行ったことには理由がある。
L型は、重症化し易いために感染者の移動が少なく、限られた地域だけにとどまり易い。
一方、S型は無症状感染者も多いようで、海外へも元気で気づかずに出かけていました。
ですから、旅行者や海外からの帰国者が持ち込んだと思われる日本では最初からS型の方が多かったと思われるので、ほとんどがS型であったと思われます。
このようにS型の方が感染が広域まで伝染し易いことが、アジアでS型が多い一つ目の理由です。
L型が主流であった武漢でも、時間と共にだんだんS型が多くなりました。
共存した場合、時間と共に流行はS型が主流になる傾向があるというのが、もう一つの理由です。