ストレスでコルチゾール(ホルモン)分泌が変化する。

代表的なホルモンは、コルチゾール。

<コルチゾールの働き>

  • 肝臓での炭水化物や糖の代謝
  • 筋肉でのたんぱく質の代謝
  • 脂肪組織での脂質の代謝
など、さまざまな栄養素の代謝に関与しており、人の免疫機能への作用や抗炎症作用などを持つ人間にとって大切なホルモンで、分泌不足でも分泌過剰でも健康に影響を及ぼしてしまいます。 コルチゾールの過剰分泌は血糖値を上げてしまいます。 コルチゾールは別名「ストレスホルモン」とも呼ばれています。 日常生活でストレスを受けると、コルチゾールが分泌され、ストレスをコントロールし、私たちの体を守ってくれます。 しかし、一般的な成人のコルチゾールの1日の分泌量は約20mgに対し、大きなストレスや慢性的なストレスがかかると1日200〜300mgも分泌量が増加するため、コルチゾールの糖新生の促進作用や、インスリン抵抗性が強まり、その結果血糖値を上昇させます。 糖尿病患者さんのように血糖コントロールを行っている人は、ストレスによりコルチゾールが増加してしまうと、血糖コントロールが困難になり、糖尿病を悪化させるおそれがあります。 糖尿病治療においては、食事療法や運動療法とともにストレスコントロールも大切と言えます。

コルチゾールには「インスリン抵抗性」があることも医学的によく知られています。

「インスリン抵抗性」とは、インスリンに対する感受性(インスリン受容体と結合しようとする結合親和性)が低下し、インスリンの作用が十分に発揮できない状態のことをいいます。 上昇した血糖値を膵臓から分泌されるインスリンが下げようと働きますが、これをコルチゾールはインスリン抵抗性によって抑制するため、血糖値がうまく下がらず、糖尿病を誘発したり、症状を悪化させてしまうおそれがあるのです。 ストレスは、確かに難敵ですね。 コントロールが難しいから。 ですが、ストレスにより、ホルモン分泌が変化し、身体に異変を生じることをしっかり理解しておくことが大切でしょう。